「うわぁ~ッ!雪ですね~ッ!!」
「くすくすくす…。セリュは雪を見るのって初めてなの?」
「いいえ、人間界で何度か見た事があります。それでも雪っていつ見てもキレイで凄く興奮しますよね」
「そうだね」
キラキラした瞳を窓の外に向けたセリュは、口をポケッと開けてジッと外を見ている。
そして…、
「あ~、ダメです。ムズムズしますッ!」
「ちょっと、セリュ?!」
突然、セリュは窓に向かっていく。
窓が割れるっ!!!
…と思って目を瞑ったけど、ガラスの割れる音はしない。
へっ?
そっと瞳を開けて目の前の窓を見ると、ガラスが割れている様子はない。
それなのに窓の外ではセリュがパタパタと羽をパタつかせながら、楽しそうに飛び回っているのが見えた。