『真っ直ぐな子に育ってほしい』
そう名付けられたワタシ、『真奈(まな)』。
でもうまくいかないのが人生というもの。
なぜ、そんなことを言うのか…
それはワタシが屋上にいるから。
下を見れば多くの学生が、白い体育着を着てくるくると走っている。
『キーンコーンカーンコーン』
午前11:40を告げる音が屋上から響き渡る。
学生はぞろぞろと校内に戻っていく。
ワタシは人が消えた後も屋上にいた。
ここは嫌いじゃない。
雨や日差しが強い日は嫌だけど、何よりここには青い空がある。
どんな大きな箱に入れても溢れてしまうような大きな空。
ワタシはいつも考える。
この空の中に行けたら、どんな気分なんだろうと…
屋上よりも高い空からの景色はどんなものなのだろうかと……
そんなある日、梅雨が明けない7月の始めのこと、ワタシはキミに出会った。
「何してるの?」
最初はキミの声を知った。
まだ声変わりをしていないのか、男の子にしては高い印象があった。
「空を…見てたの。」
ワタシは答えると同時に振り向いた。
そしてキミを知った。
髪は顎までの長さでくせっ毛があり、瞳は少し細いが怖い感じではなかった。
そう名付けられたワタシ、『真奈(まな)』。
でもうまくいかないのが人生というもの。
なぜ、そんなことを言うのか…
それはワタシが屋上にいるから。
下を見れば多くの学生が、白い体育着を着てくるくると走っている。
『キーンコーンカーンコーン』
午前11:40を告げる音が屋上から響き渡る。
学生はぞろぞろと校内に戻っていく。
ワタシは人が消えた後も屋上にいた。
ここは嫌いじゃない。
雨や日差しが強い日は嫌だけど、何よりここには青い空がある。
どんな大きな箱に入れても溢れてしまうような大きな空。
ワタシはいつも考える。
この空の中に行けたら、どんな気分なんだろうと…
屋上よりも高い空からの景色はどんなものなのだろうかと……
そんなある日、梅雨が明けない7月の始めのこと、ワタシはキミに出会った。
「何してるの?」
最初はキミの声を知った。
まだ声変わりをしていないのか、男の子にしては高い印象があった。
「空を…見てたの。」
ワタシは答えると同時に振り向いた。
そしてキミを知った。
髪は顎までの長さでくせっ毛があり、瞳は少し細いが怖い感じではなかった。