そんな自分がすごく嫌だ。
友達だって、ちゃんと思っていることを伝えられるのは1人しかいない。
私のことを理解してくれている唯一の人、豊川菜子ちゃん。
菜子ちゃんは私と違ってサバサバしていて、しっかりしている。
そして、友達も多い。
私の憧れ。あんな風になりたいなっていつも思う。
菜子ちゃんがいなかったら、私は高校生活を送れていなかったと思う。
でも、そんな私を透悟くんは好きと言ってくれた。
すごく嬉しかった。
夢かと思った。
告白されたあの日を、今でも鮮明に思い出せる。
すごく、すごく、透悟くんが好き。
でも。
彼は今日、私に別れを告げる。
「詩花、一緒に帰ろ」
さあ、カウントダウンの始まりだ。