『要、また明日な!』
『ばーい!』

「おーう!」

…放課後、クラスメイトと適当に挨拶をし、教室を出る。
今日は、物置部屋へ向かうことになっていた。足早に廊下を進むと、物置部屋が見えた。ドアが開けっ放しになっているので、多分誰かがいるのだろう。
「よーっす。…って、愛乃は?」
部屋内には、水帆と裕也が立っていた。
水帆は愛乃の小学校からの付き合いだそうだ。要するに親友。何と言うか、こいつと話すといつも口論になる。結局愛乃に止められるのだが、愛乃曰く「デリカシーがないから」なのだそう。俺はどうも昔から思ったことを口に出してしまう癖が抜けない…。
裕也は、俺と小学校からの付き合い。
『何ボーッとしてんの、愛乃見てきてよ。』
唐突に、水帆が言った。
「おう。…って、はぁ?!」
突然のことにわけのわからない反応をしてしまう。
『ったりまえでしょ?!彼氏なんだからそんくらいしてやんなさいよ!!ってかあんたが愛乃の彼氏とか私は認めてないからね?!』
水帆は酷く憤慨している。
「んなこと知るかよ!!ってか見に行くつもりだよ!!」
『ま、まぁまぁ落ち着いて…。』
裕也が苦笑いして割り込む。

そんなこんなで、俺は愛乃を探しに行くことになった。