" こわい "
そう思ったとき気持ちを察してくれたかのように手を繋いでくれた
繋がれた手から大丈夫って言ってるような気がした
私もそれに応えるように握り返した
「こいつ俺のだから。こいつに手だしたらタダじゃおかねー…例え女でも」
『嘘でしょっ!?蒼樹くんとあの娘が付き合ってるっていうの!?』
『ありえないっ!誰あの女は!』
この言葉もこれからは毎日言われるようになるんだろう
けど,こんなことで凹んでたらこれからやっていけない
どんな壁でも乗り越えていきたい
「蒼樹くん、蒼樹くんがこの娘と付き合ってるって冗談よね?」
まるで私を見下したかのようにそう話しかけてきたのは2年生の
畑山加菜「Hatakeyama Kana」先輩
なんでも蒼のファンクラブというものが最近できてファンクラブの会長をしているらしい…。
敵に回したらいけない人を回してしまったようだ
「冗談じゃない、本気だ」
「そんなことが許されるとでも!?」
「あんたに許してもらう意味がわかんねーんだけど」
「蒼樹くんは芸能人ということを自覚していらっしゃるんですか?今写真が撮られていたらまずいことになりますよ?」
「芸能人だからって恋もすんなって事か?だったらそんなもんやめてやるよ」
芸能人を辞める?
そんなの私が許さない
どうにかして止めないと
「蒼! 蒼‼︎ 」