聖奈と2人で教室に向かう

扉を開けるとまだ誰も来ていなかった


「あれ? 今日は誰もいないね…この時間なら誰か来ててもおかしくないのに」


この時間ならチラホラと人を見かけるんだけど
今日はなぜかいない…

…いや多分だけど誰もいない理由は多分あれ

"蒼と木下莉羽の仲良く登校" 事件

みんなあの2人に目を奪われてるんだ

でも誰もいないのは私にとっては好条件

このイライラを沈めることができる

寝よう…それが1番いい気がする

寝ようと机に顔を突っ伏しても寝れない

いつもならすぐに眠れるのにっ


「聖奈,これから叫ぶ」

「…りょーかい」

「あぁー!! むかつくっ! 」

「あははっ! 未來最高っ」

「笑い事じゃないってばー…」


人の気持ちも知らないくせにっ


「あれって浮気? 浮気だよね? 」

「何か事情があるんじゃない? 」

「よくもまぁ堂々と…」


私なんかいつもバレないかなってヒヤヒヤしてるのに

聖奈に話を聞いてもらっていたらあっという間に時間が過ぎていった


「もう時間だからこの話はおしまいっ」


まだ話したいこと山ほどあるのにっ


「わかった,ありがとう」


全然オッケーと言いながら席に戻っていった聖奈

鐘が鳴る1分前になっても教室には私たちしかいなかった

どんだけ注目集めてるのよっ!

とうとう鐘が鳴ってしまった

誰も来ないと思っていたら廊下からどんでもない音と同時にみんなが教室に駆け込んできた


『やっべーあぶねー』
『遅れるところだったわ』
『でも遅れても仕方ないよね、蒼樹くんと莉羽ちゃんって付き合ってるのかな!?』


ほら,やっぱり。私の勘的中

みんなが遅れてるのはあの2人に目を奪われているから


「未來おはよ…遅れるところだった…それより先生から話しがあるんだって」

「おはよう,話って? 」


友夏に聞き返したときにタイミング良く先生が教室に入ってきた


『うちのクラスに転校生が来る、入ってこい』


嘘でしょ…転校生ってあの子しか考えられないんだけど


「木下 莉羽です。モデル,女優やってます。よろしくお願いします」