「未來? どうしたの? 」
「むかつく」
本当に蒼だったら許さない
もう絶対口きかないっ
いや,別れてやる!
蒼は私達の前を歩いてるから私には気づいていないみたい
抜かしてやるんだから
「ごめん聖奈。スピード速めるね」
「えっ…うん」
聖奈の返事を聞いた途端に一気に歩くスピードを速めた
むかつくむかつくムカつく!
こんなに速く歩けるのは怒りが私を動かす原動力になってるからだ
蒼のファンのみなさんが群がっていたけどそんなのお構いなくわざと蒼の隣に行った
チラッと蒼の方を見ると私に気づいて驚いた顔をしていた
「おはようございます。今日の天気は清々しいですね,それに朝から人気があるみたいで。では」
蒼の顔をみて微笑んであげた
蒼はヤバイって顔をしていたけどそんなの知るもんかっ!
今日の天気とは裏腹に私の心はドンヨリ曇ってるけど
「未來大丈夫? 」
「うん,全然大丈夫だよっ」
「こわっ」
「よっ未來、聖奈ちゃんも」
タイミング悪く話しかけて来たのは瑞貴
聖奈は瑞貴に会えて嬉しいのか顔赤くしてる
「なに? 」
「橋本蒼樹と木下莉羽、みんなに注目されちゃってるね」
「そうだねーでも芸能人ってすごいよねー周りがキラキラして見える」
「…壊れたか?」
「私は至って普通だけど? じゃあね」
あーイライラする
この怒りをぶつけるところが欲しいっ
「未來っ」
「ごめん聖奈巻き込んじゃって」
「大丈夫だよ」
ごめんね聖奈
教室行こう,まだあんまり人はいないよね