「…理緒は、仲良くしたい、理緒と一緒にいたいって思っているあの3人を傷つけたんだよ。」
確かに、理緒と一緒になっていじめたりもしてたり、理緒のこと怖がっていたかもしれない。
友情の形は、歪だった。
でも、それでも、理緒のそばにいたかったんだよ。
「それに、私と渚沙も理緒に叩かれた時、どうしようもなく痛かったよ。…今みたいに愛とか友情とかがあるものじゃなくてただの八つ当たりだったから、余計に。」
今までずっと私を貫くように見ていた瞳が朧げに揺れて、初めて理緒が顔を伏せた。
…痛いよ、誰かに叩かれるのは。
傷つけられるのもすごく痛い。
でも、何より痛いのは、
自分が大切な人を傷つけてしまったって気付いた時でしょう?
「理緒は間違っている。」
俯く理緒をずっと見つめて、落ち着いた声を真っ直ぐに出す。
逸らさないよ、絶対。