そんな声と同時にバランスを崩した私の腕を引っ張る。



「えっ?」



目を開けると目の前には黒縁のメガネとマスクをつけた男の子が立っていた。


サラリと揺れる男の子の黒髪。



「周り、見ろよ」




彼はそう言って外に出て行った。



先輩なのか後輩なのか同級生なのか……




私には分からなかった



すると隣の絵梨は力強く私の手を握った