「や、やっぱり恥ずかしい…」
「何言ってんだよ、今さら。オレ、止められないよ?」
呼吸を荒くして、亮平は体中にキスの跡を残す。
「だって、よく見えるなんて言うから」
そうよ。
この部屋は、日差しがたっぷり入るから明る過ぎるんだ。
「何で?いいじゃん。オレは香乃子をよく見たいよ?香乃子の可愛い顔、もっと見たい」
「そんな言い方ズルイ…。もう、胸がキュンキュンするじゃん」
可愛いなんて言葉、亮平が使うのは反則だって…。
「じゃあ、キュンキュンしてて。ほら、余計なことを考えずに集中しろよ」
「う、うん…」
塞がれる唇も、触れる体も、全部が愛おしくて幸せで、やっぱり離れたくない。
だから、みんなに言わないで欲しいなんて、それを言うのはワガママだよね?
そもそも最初は、わたしがみんなに話して欲しいと思ってたんだから。
結局、本当の気持ちは言えないまま、次に亮平に会ったのは月曜日の朝だった。
そしてその日、午前半休を取ったわたしは、会社に着くなり、みんなに囲まれてしまった。
なぜなら、亮平の言葉通り、わたしたちの関係がみんなに知られたから。