亮平の大きくて温かい体に手を回す


「いいのか?そんな風に言われたら、オレ絶対に遠慮しないよ?」

強く抱きしめられながら囁かれるセリフに、理性は飛んでいった。

「うん。いいよ。だって、わたし本当に亮平が好きだから。ゆうべ、修司さんに会いに行ったのだって本当はね、修司さんの過去を話していいか聞こうと思ったからなの。亮平の誤解を、解きたかったからなんだよ?」

「うん。ありがとう。もう分かったからいいよ」

「本当?だけど、ひどい事を言って傷つけちゃった」

顔を見上げると、亮平が小さく首を横に振った。

「違う。本当に謝らないといけないのは、オレの方だよ。昨日、無理矢理…」

「ううん!わたしだって、それはいいもん」

「香乃子…」

いいもん。

少し怖かったけど、亮平とならいい…。

「ねえ、だから今も少しだけ…」

チェックアウトまで、時間はまだまだあるはず。

だから、体を重ね合う時間もあるよね?