そんなわたしに、編集長は笑顔を向けると、ペンをカチカチと鳴らした。

ペン先を出したり入れたりする行為は、これから本題に入るという印。

編集長のクセだ。

「ハーティーの美容部員は、園田絵美(そのだ えみ)っていって…」

と、編集長の言葉が中途半端に途切れた。

「編集長、その続きは?」

心なしか、顔を赤らめている。

何か、恥ずかしいことでもあるのかな?

「まあ、いいか。どうせ分かることだろうから」

「分かること?」

勿体ぶらずに早く教えて欲しい。

気になるじゃないの。

「いや、実はさ…。絵美はオレの元カノなんだ」

「え?元カノ…?」

それは、もちろん衝撃的な言葉で、わたしはしばらく絶句をしたのだった。