と、見惚れていると、先生はその男の子の方に向かって歩いていった。



「こらー!五十嵐!

何度言ったらわかるんだ!

"おにやま"じゃなくて"きやま"だつってんだろ!」


「いや~、だってほら!漢字にしたらおにやまだろ?」


「読み方が違うと言ってるんだ!」


「ごめんごめん」




え、え、え、



「いきな!」


その男の子は、おにやま…じゃなくて、きやま先生の横から顔をのぞかせて、ニコッと笑った。