「おねえーちゃん!何話って?」




「覚悟はある?後悔しない?」




「なによ~そんな真剣な顔しちゃって・・・



深刻な話?なに?え?」




「いいのね?」



「うん」




「平岡 努の母親があたしと葉南の


お父さんを殺したのよ!」





「嘘でしょ・・・・?」




「ホントよ・・・」




「あんたは、まだ幼かったから覚えてないの」




「葉南が、5歳くらい?」



「そうよ。2年生だったあたしはいやでも


忘れられない」



「だって!待って!


お父さんは病気で死んだって・・」




「それは!まだ小さかったあんただから


お母さんの優しい嘘よ」



「小さいとか幼いとか関係ないでしょ!」



「そんなこと知ってたら、努くんのこと


好きになってなかったかもしれないのに!」







「もっと早く言って欲しかった」






「5歳って分かってる?!


そんな純粋な単純なお年頃のあんたに


言ったって信じられないでしょ?!


優しいウソもあるのよ。


お母さんの優しさなの。」




「なんで・・・なんで今なの?」



「え?」



「中学生とか高学年の時に


言ってくれればよかったじゃない!


どうして今なの?どうして?」



「それは・・・」



「バカにしてる?まだ幼いって思ってるの?


もう高校生だよ!葉南だって成長してるじゃん!」



「それも、優しさよ。」


「優しさ優しさってソレばっかり!


優しさって言葉で片付けないでよ!!!」



勢いよく、ドアをしめて


葉南は自分の部屋に閉じこもった。


ごめんね、ごめんね


でも・・・高学年の時に言わなかったのは


いじめがあったらから。


言うチャンスが掴めなかったのよ。


ただえさえ、葉南はお父さんっ子だったから


また傷を増やしてしまうって


お母さんとあたしなりに考えた結果だったんだよ。


ごめんね・・・