空くんは私を見てるようで見てない。

美織を見る目はすごく優しい目。



でも、手に入れたい。
私で夢中にしてみせる。



文化祭の最後の時間。

体育館裏に来てってメールして、
空くんが来るのを待つ。



トントン。足音が聞こえた。


あー緊張する。

付き合えますように。

手汗でびっしょりの手を後ろに隠し、

来た空くんの名前を呼ぶ。


「空くんっ!」


「あ!なんだ?いきなり。」

首を傾け聞く空くん。

仕草一つ一つに私の視線は釘付けで。


「あのね…空くん。私と付き合ってください。」


震える声を絞り出し必死に伝えた私の想い。


「俺も、気になってたんだ。
よろしくな、優菜。」


そんな返事が返ってきた。


…うそ…。嬉しい…。

「ありがとう。よろしく。」

と微笑み返す。



…信じてもいいんだよね?空くんを。