ーーー保健室。




「先生。ベット借ります。」


「いいわよ~。」


優しいおばちゃん、が印象の保険の先生が返事をしてくれる。


保健室ってなんか落ち着くなぁ。



安心したせいか涙が頬を伝たう。


「うぅ…。ぐずっ…」


泣いていると

ーーシャッ。

カーテンがいきなりあく。




「…ぐずっ。 …誰?…。」



「あ!ごめん。使ってた?俺、杉本 翔。泣いてたの?」


爽やかな笑顔を浮かべる少年。



「は、はぁ、私は桜木美緒です。」

あえて、泣いているとは答えなかった。



「ん。知ってるよ。」


「えっ??なんでですか?」

「美緒はなにかと有名だからね。」


私、なんか悪いことしたっけ?

しかもいきなり呼び捨て、まぁ気にしないことにしよう。


「そ、そうですか。私、翔のこと知らないの。同じ学年?」


私も呼び捨てで呼び返してやった。


「知らないのも当然だよな。
だって俺、2年だもん。」


え!先輩だったの?!

全然わかんなかったよ、すみません。

先輩。



「ごめんなさい。じゃあ翔先輩ですね?」


「いや、翔でいいよ。ところで美緒はなんで泣いてたの?」



…痛いところを突くな。



「実は……」


私は今悩んでいることを全て話した。


翔は優しく うんうん、と相槌をうってくれる。


話し終わり、すこし心が軽くなった気がした。