…挨拶するときの優菜の照れたような顔。
…私と空のやり取りを見ている少し悲しそうな表情。
なんで気づかなかったんだろう…
「美緒?聞いてる?」
「え?あ!うん。聞いてるよ。優菜は空が好きだったんだね。」
「うん、それで優菜に協力してもらいたくて…///
優菜、空くんと仲いいでしょ?だから…ダメかな??」
嫌なんて言えなかった。
だって優菜がすごく幸せそうな顔をしていたから。
「…うん。いいよ。」
「え?!本当に?ありがとうっ!」
「ぅ、うん!」
私、ちゃんと笑えてるよね?
自分の足で立っている感覚がない。
ドキンッドキンッ。
心臓が嫌な音を立て、目眩がしそうだった。
「あ!じゃあ、私、先生に呼ばれてるんだった!あとでね!美緒!」
そういって駆け出していった優菜の後ろ姿を見ながら、屋上を出ていったのを見送ると、嗚咽がもれる。
「…うぅっ…どうして空なのっ…」
たくさん泣いた。
枯れない涙は私の頬を濡らし心を曇らせ、恋心に鍵を閉めさせた。
「ぐずっ…うぅ…」
しばらく泣いてスッキリした。
でも心が…心が痛かった。
チクンチクン。
針で刺されているような鋭い痛み。
…さよなら、私の初恋。
…大好きだったよ?空。