輝きを放つエントランスのガラスの前に立っているのは四人の男性。その中のひとりの頭が、きらりと陽射しを跳ね返す。
あれは阪井室長?
隣りにいるのは笠子主任だ。
どうして、こんな所にいるんだろう。
二人とも暑いのにスーツを着て、いかにもよそ行きといった感じ。いや、どちらかというと仕事してるといった風に思える。
あと二人は、誰だろう?
ここからではスーツの後ろ姿しか見えないけど、どちらも長身でほっそりとした男性。
ひとりが僅かに横を向いた。
急いで植え込みの陰へと身を潜めて、そっと様子を窺う。
どうして隠れる必要があるの?
なんて、疑問はさておき。
阪井室長と笑顔で話す見知らぬ男性は、阪井室長と同じくらいの歳だろうか。
阪井室長より髪はふさふさしてるから、もう少し若いかもしれない。
どちらにしろ、私の父に近い年齢のようだ。
残るひとりは後ろを向いたまま、彼らの談笑に耳を傾けている感じ。
黒い短髪の後頭部から肩にかけてのラインと、きゅっと締まった腰の辺りが気になる。
ここから見ている限り、他の三人よりは若そう。だから、なおさら気になってしまう。