本当に……、こんな…ダメな私で務まる…のかな。

あなたの奥さん…なんて。


『わ、私でいい…の?』

『でなきゃこんな真似なんてしねぇよ』


彼の言葉に私は胸を打たれた。
もう、涙が止まらない。
拭いても拭いても次から次へと溢れ出てくる。


『だ、大丈夫か?俺何か変なこと…』

私はまた首を振った。

『してないよ…。私が泣いてるのは、夢が叶ったからなの。あなたの奥さんになれるなんて思ってなかったからなの。だから、嬉しくて、嬉しくて…』

彼は私を抱きしめてくれた。
そんなことしたら、もっと涙が止まらなくなっちゃうじゃない。
私は彼の胸の中で泣いて、泣いて、泣きまくった。


そして言った。



『ありがとう…ありがとう…ありがとう…』


何回言っても足りないくらい。


『俺こそありがとうだよ』

『ううん。本当に大好き…だよ。大野くん。好き。好き。大好き…』

私は想いをたくさん伝えた。

『ありがとう。紗江』


私は大きく頷いた。


本当に、この人と出会えて良かった…。