学校に行こうと家を出ると見慣れた顔が立っていた。
「おはよう、はるか!」
私は いつもと同じ様に目の前に立つ人間に挨拶を交わす。案の定、相手からも帰ってきた。
「おはよっ!さや!!一分の遅刻だ!」
笑顔で答えた彼に私は苦笑いで「そのくらいいいじゃん…」と返した。
彼は広澤はるか(ひろさわはるか)という私の幼馴染だ。
同じ明蓮学園を推薦で合格した。つまりAクラスである。容姿は…うん。…幼馴染の贔屓目なしにカッコいいと思う。
だが何に対しても自信満々な性格は直した方が良いだろう。
「ねぇはるか。今日いつもと違うね。」
「あっ!やっぱ気づいたか?!さっすが さや!!幼馴染だな!」はるかは私の隣で満面の笑みを浮かべながら私の頭をポンポンと叩いた。
私は自分の顔が赤く火照るのを感じる。はるか の簡単にボディータッチする天然さも直して欲しいと感じる…。
「幼馴染じゃなくても気づくと思うんだけど…!!髪…切ったよね…?」