鈴と竜が並んで歩いていると、前から柄の悪そうな人が20人ほど出てきた




まだ蘭と鈴にはわからなかったが、竜は当時、星華セイカの副総長だった





男「おい。てめぇ…」





竜「鈴……危ないから下がってな」




鈴「ぇ…?おにぃちゃんなんで?」




竜「大丈夫。鈴は兄ちゃんが守る」




男「おい。聞いてんのかオラァ!!」




竜「聞いてるよ。波鬼ハキの総長さん」





鈴にはやっぱりなんのことかわからなかった




男「うるせぇ……行くぞ!!」





男の掛け声で、20人が一気に襲ってきた




鈴は怖くて、逃げなきゃ行けないのに動けなかった




竜はそれに気づいて、闘いながらも鈴に言った




竜「ッ!!鈴!!……クッ…いいから逃げろ!!……クハッ…!!」




いつもの竜ならこの人数。すぐに倒すことができたが、




鈴がいること。相手が武器を使っていることによって、少し押されぎみだった




それでも竜はあと10人ほどまでにしていた





竜「鈴!!早くしろ!!」




鈴「ふぇ…?おにぃちゃん恐いよ…」




竜「ッ…そんなこと言ってる場合じゃねぇ!!早くしろ!!」




鈴「恐い…恐いよ…」





竜の前には、もう総長しか残って居なかった





男「クソッ……こうなったら…!!」




竜「は……?」




鈴「イヤァ!!」





総長は、近くにいた鈴を後ろから押さえ、頭に拳銃を突きつけた





竜「やめろ!!それだけは……!!」




男「あ"?さっきの威勢はどうしたんだ?」




竜「クッ……!!」




男「まぁ今までの恨みもあるんで、この辺で終わらせるか」





総長は拳銃のロックを外した










男「絶望してろよ」








バンッ……!!










竜「鈴…!!」












竜「ごめん……」





バタン…











鈴「お…にぃ……ちゃん…?」






男「なに……」





鈴「おにぃちゃん?おにぃちゃん?!おにぃちゃん!!」







鈴が見たものは、頭から血を流して倒れている竜の姿だった






竜は鈴が撃たれる瞬間に鈴を押し、その代わりに自分が犠牲になった