「ダメ、だな。雫月にプロポーズなんて、約束させるようじゃ」


、、、ダメなんかじゃ、ないよ。


「でも、ありがとう。雫月。、、、だけど、ちゃんとしたプロポーズは俺から、する」


星夜が真っ直ぐに言う。


「待ってる」


それに、あたしは力強く頷いた。


「来年の12月、24日か」


星夜が、独り言のように言う。


「、、、星夜。30歳だね」


12月24日は、星夜の誕生日。


「俺が20の誕生日の時の約束、覚えてる?」


、、、ちゃんと、覚えてる。


だから、あたしは頷く。


「あれから、もう10年、か」


あの約束の日から、10年。


あの頃のあたし達は「今」と言う「未来」に、どんなことを思っていたのだろうか?