「…はぁ?」



目を見開いて、莉緒を睨み付ける俊。



「何で知ってるのにまたわざわざ言わなきゃならないの?ほんっと面倒臭い…

咲希も咲希だよね?なんで今まで急いで学校から帰って宏に会いに行ってたのにさ?ほんと鈍感」



クスリ、と笑う莉緒。


本当に莉緒の言う通りかもしれない。



「ふざけないでよ…!」



パァン…



教室に、痛々しい音が響く。



「ちづる…?」



莉緒を叩いたのは、さっきずっと見守っていたちづるで。


ビックリしてしまった。



「謝るぐらいしなさいよ!!なに偉そうにしてんのよ…っ」



ちづるまで泣きそうな顔をしていた。