伝えたんだろう、一弥が。


この真実は、咲希に伝えても大丈夫なのだろうか。



「……、」


「俊!黙ってないで教えてよ…っ」



泣きながら、俺の制服をぎゅっと掴んで俺に訴える咲希。


咲希は、そんなに宏が好きなのか。


そう考えるときゅ…っと心臓が痛む。



「…、……お」


「…え?聞こえなかった…、もう一回…」


「咲希と仲が良い莉緒、だよ」



そう言った瞬間、咲希の目が大きく開いた。



「え…、莉緒な訳がないでしょう…?」



俺はちずるかと思ってた。


ちずるも中谷も、茶髪だし…


でも、俺達は見たから。



「本当、だよ」