ざあああ…、と木々が風で音をたて揺れる。


あ…、もうこんなに葉の色が赤や黄色、橙色に染まってきてたんだ…。


この季節になれば思い出す、宏との思い出。


それを思い出せば、昨日の出来事を思い出す。




「、なぁ」



俊が発した言葉に私は少し驚いた。



「ん?どうしたの?」



「彼氏と、何したんだ」



どきん、と私の心が痛む。


なんで、俊は分かってしまうんだろう。



「…、連絡が、取れなくて……」



「うん」



「彼氏の、学校に行ったら……、浮気してて…」



「…うん」



俊は私の話を頷いてちゃんと聞いてくれていた。