「あ、咲希…!」


ちずるがたたた、と私に近寄ってきた。


「どうしたの?」


「宏のこと、大丈夫なの?!」


そんなの大丈夫じゃないけど…。


当たり前にね。



「もうどうでもいいの、宏のことは。」



私はもう話さないって決めたんだから。



「おはよ、咲希とちずる。」


「あ、俊」



鞄を持った俊が私の席に来た。


俊も私に何があったのかを知っていたらしくて今日は少し早めに来たらしい。



「ありがと、俊」


「おぅ。…あのさ、咲希。昼休みちょっといい?」


「…?うん、いいよ」



なぜ俊に私は呼ばれたのか分からず、そのまま時間が刻々と過ぎていった。