「…いってきます!」 「いってらっしゃい、頑張るのよ咲希!」 そう言ってお母さんが私にぎゅーーっと抱き付いてきた。 この優しさに私は安心するんだ。 「うん、大丈夫だよお母さん!」 この日はいつもより早い時間に学校へ向かうことにした。 「お兄ちゃん、車で学校まで送って!」 「おお、乗せてってやるよ」 玄関を開ければ、外は清々しく晴れ渡っていた。 私の心の中のように。 ――――――――― ―――――… 「おはよう!」