とは言っても今まで一度も話したこともなくって。
恥ずかしくて自分から声を掛けることもできない。


あたしはただ、彼のことをずっと目で追っていることしかできなかった。


休み時間、思い切って沙亜と歩に相談してみた。


「実はさ…好きな人、できちゃった。」


すると沙亜と歩は身を乗り出して

「うそ!誰なの!?」
「わたし協力する!」

と言ってくれた。


それだけで気持ちがふわっと楽になった気がした。