「それじゃっ。じゃあな!また明日っ!」


明るく言ってくれた彼に応えるようにあたしも負けじと明るく笑顔で返した。


「ばいばいっ!明日ねっ!」


手を振った後に残ったのはドキドキとした感覚。



何もが違く見えた。



「ただいまー。」


家に帰ると部屋に真っ先に戻ろうとするあたしをお母さんが引き止める。



「ちょっと希依。塾どうだったの?それに、ご飯は?」



「塾よかったー。ご飯いらないよ、こんな時間だし。」



「そう。頑張りなさい。わかったわ。」


そしてあたしは自分の部屋に戻った。


部屋に入るとすぐに携帯を取り出してフォルダを開く。



一番上に出てきた"岩田 燈貴"の文字をなぞって思わず顔がにやけてしまう。



もう、メールするには時間遅いかな……。




新規メール作成を押して文を書いては消して書いては消しての繰り返し。


しばらく悩んだ挙句思い切って送ることにした。




画面には送信中...と表示された。



送っちゃった……。



なんでこんなに好きな人にメールするのって緊張しちゃうんだろ。