襲ってくるクマに二手に分かれた。

私は、真横から草っぱらに水をばら撒く。


そのクマは、というと水浸しの足元にズテン!っと足を滑らした。

とどめは、拓馬の一撃で、クマはあっけなくデータ分解されていった。



「やるじゃん!」

「ま、まあね」



とりあえず、敵がいなくなったことにほっとする。

そのまま、とぼとぼと草の上を二人並んで歩く。



「てか、敵いなくねぇか?」

「確かに……」

「もう、終わりなわけないよな?」

「うん……」



いくらなんでも静かすぎる。

ラスボス前ぐらいの静けさである。

でも、雰囲気は至ってノーマルなのだ。






次の瞬間、バビュンッ!と何かが通りすぎた。

勢いよく、大きく風が動く。