瞳をゆっくりと開けると、緑色の視界がまだぼやけて見える。
何か触れてる物体を目に、それを突き飛ばした。
ワナワナと唇を震わす。
一瞬にして、記憶がよみがえった。
あぁ。
あのまんま……
突き飛ばされた拓馬は、今だ草の上に寝ている。
とりあえず、すでにもう乾いていた自分の服に着替えた。
横向きに寝ている拓馬の傍にストンとしゃがみこむ。
可愛い寝顔。
そのまま、ツンツン!っと頬っぺたを突いてみた。
肉……ない。
女子の敵だ!コイツは!
ということで、一発デコピンをかましといた。
拓馬は、というと眉間にしわを寄せるだけでまた、夢の中へと戻っていった。
実際、そろそろ起きてもらわないと困るんだけど……
すると、拓馬の柔らかそうなブラウン色の髪が目に入る。
寝てるし、ちょっとぐらいいいよね?
耳元からそぉっと手を入れる。
耳に手がかすっちゃったけど、もう髪のふさふさ感がたまらない。
自然と顔がゆるんでく。