後を追うように食堂に入ると、本日の食事当番と目が合う。



「うっわ、アカリ。大丈夫?」



「そんなに酷い?」



「う~ん、パンダか魔法使いのお婆さんかって
とこかな。」



「メグまでそんなこと言うんだ。」



「てか、逆にうら若き乙女がなんて顔してんのよ。」



片手に鍋、片手にお玉を振り回して、友人は苦笑いした。



「また、あの夢?」



「....まぁ、今日のは衝撃小さい方。」



「忘れろとは言わないけどさ...もう十年も前のことでしょ?そろそろ前向かなきゃね。このご時世、生き残れないよ。


...って、分かった分かったから待って!」



「んな腐ったアカリほっといて、早く飯よこせー!」



鍋を引っ張られ、配膳に戻るメグ。



先ほどの少年がスプーンをくわえてニカッと笑った。



「ちょ、空気読めよ、くそガキ。今うちらスゲー真剣に話してたじゃん。」



「アカリの分ももーらいっ。」



「渡すかっ!」