続いて、布を裂くような悲鳴。



耳を塞ぎたくなる、怒号、銃声。



木箱がひっくり返り、野菜が、果物が
転がる。



金物のカチャカチャと地面を這う音。



いろんな音が嵐のように渦巻く。








「に、逃げろ!」



「な、何でこんなところに敵兵が!!?」



呆然と立ち竦む私にぶつかりながら、口々に叫ぶ人たち。



逃げなきゃ....



逃げなきゃ....



逃げなきゃ....



でも、足が動かない。



頭の中が真っ赤に染まる。



心臓が壊れそう。









真っ赤だ....