(…あ。先輩……) 廊下を見ながら心の中で呟いた。 目線の先には、気怠そうに歩く先輩の後姿。 1度目に入ってしまうと、どうしても目で追ってしまう自分がいる。 見つめたところで、先輩が振り向いてくれるなんて訳じゃないけど。 先輩は、周りの友達に抱き着かれながら廊下の角を曲がって行った。