待ちに待った遠足がやってきた。
ずっと楽しみに待っていたのはハルぐらいだと思うけど、あたしも、少しだけワクワクしていた。
遠足の場所は、高校生にもなってあまり行かないような、バスで2時間ほど走ったところの大きな牧場だ。
この田舎には、遠足で行けそうなところは近所にある緑の広がる公園か動物園。
そして、今回行く牧場くらいしかない。
都会の高校生だったら、もっとおしゃれな場所にいけるんだろうな……。
っていっても、都会の高校生がどんなところに遠足に行くのか、全くわからないけれど……。
あたし達は学校指定の紺色のジャージで集合して、クラスごとにバスに乗り込んだ。
天気は快晴。
太陽を隠してくれる雲も少なく、朝から高い気温に汗ばみ、ジャージの袖を肘まで捲りあげた。
あたしとマキは後ろから2番目の席に座り、ハルと柊はあたし達の後ろに座っていた。
バスが発進したと同時に、反対側の席に座ればよかったと後悔する。