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『うっわ!! 雨だ!!』
『えっ!? キャッ!! ホントだ!!』
古賀くんと下校中、突然雨が降り出し、あたし達は腕で頭を覆って田舎道を走った。
溶け始めの泥が混じった雪が、あたし達の足に絡みつく。
天気予報では雨なんて言っていなかったから、お互い傘を持っていなかったんだ。
空だって、雨雲が広がってるわけじゃないし。
小雨だからいいものの、これで土砂降りだったら、風邪確定だ。
首に巻く真っ赤なマフラーが走る度に、ほどけてくる。
何度も何度も走りながら巻き直すあたしを見て、古賀くんがおかしそうにハハハっと笑った。
顔に当たる雨が冷たくて痛い。
寒い中全力疾走しているので、呼吸もゼェゼェと苦しくなってくる。
5分くらい走ると、ようやく桜の木が近づいてきた。
『篠原さん! バス停で一旦休憩しよう』
『うん!!』
古賀くんに答えると、あたしの口から白い息がブァっと噴射。