せっかく夏休みにバイトをしてお金を貯めたのに、柊の誕生日にプレゼントを買うことが出来なかった。
何のためにバイトしたんだか……。
バレンタインも、あげれなかった。
準備をしようという気にもなれなかった。
ハルには、マキと一緒に選んだチョコをあげた。
喜んでくれたけど、どこか少し悲しげだった。
柊ともハルとも、少しあいてしまった距離。
その距離をどう埋めたらいいのかわからなくて、更にふたりが遠くなっていく。
このまま早く時が過ぎればいいと思うけど、来年もこのクラスだ。
柊は転校するけど、ハルとはまた同じクラス。
気まずさがずっと続けば、もう来年からは友達として接することが出来ないかもしれない……。
ハル……。
返事を聞くつもりって……。
あたし、柊を諦めても、ハルの気持ちに応えることはできないよ……。
だって、ハルはあたしにとって友達なんだもん。
大切な友達。
そういう風には、やっぱり見れないよ……。