今日は始業式だけで、学校は午前中で終了。
今朝少し会話しただけで、明らかに柊を避けてるあたしを気遣ったのか、マキが柊に一緒に帰ろうと提案していた。
最初は戸惑っていた柊だったけど、すぐに首を縦に振り、あたし達は4人で一緒に帰ることに。
体育館であった始業式の最中にも思ったけど、柊の身長は中2の時に比べて10センチは高くなっていた。
あの頃は、あたしより少し大きいくらいだったのに、今ではもう、見上げる程だ。
靴箱で隣同士で靴を取ると、変な緊張感で靴を履き替える動きが固くなる。
靴箱を出て、正門までを歩く。
あたしとハルがふたりで前を歩いて、マキと柊は少し遅れて後ろからついてきた。
柊の隣は歩けない。
歩いてはいけない気がして……。
「古賀くん、今はどこに住んでるの?」
「あぁ……小さなアパートだよ。場所は、まぁ、前住んでたとこの近く」
そう言って、柊がハハハと笑う。