足のケガの為、あまり体育祭の練習に参加できないまま、当日を迎えてしまった。
足の捻挫はもう、ほぼ良くなっている。
リレーを走るのは、問題なさそうだ。
あたし達のクラスは青組み。
朝のHRを終えてグラウンドに向かうみんなのおでこには、青組みのハチマキが巻かれている。
あたしも、取れないように頭にハチマキを巻く。
ギュッときつく巻くと、一気にやる気モードに。
よし!! 今年は柊もいるし、いいところをたくさん見せなきゃね。
「気合は十分みたいだけど、もうケガはすんなよ?」
マキと校舎を出てグラウンドに向かう途中で、後ろからハルに声を掛けられ、ムッとして目を細めて振り返った。
「もうケガはしませんのでご心配なく」
あたしはベーっと舌を出したあとに、フフフと笑う。
「マジでもう大丈夫なの?」
さっきまで冗談交じりだったハルが、急に真面目な表情で、歩くあたしの足首を見下ろした。
「う~ん、まぁ大丈夫。リレーくらいならなんとかなるでしょ」
「本当かよ。痛かったら正直に言えよ? もっと酷くなったらどうすんだよ」