次の日、朝一番の電車でホテルに帰った。
また先生がみんなのところに・・・
少し前を歩く先生の大きな背中。
昨日に戻りたい。
あたしだけの先生でいてほしい、、、
「そんな寂しそうな顔するな。」
「………」
「どうした?」
「あたしだって先生と写真撮りたかったのに・・・」
「そんなのいつでも」
「今じゃなきゃ・・・せっかくの修学旅行だから・・・」
「・・・これでいいか?」
不意にスマホのカメラで写真を撮られた。
初めて2人で撮った写真だ。
「ありがとう・・・」
「ごめんな。無理やり連れて来て。」
「やっぱり来てよかった。楽しかったよ。」
「そうか。またいつか2人で」
「愛莉!」
「・・・良太。」
良太もすぐに抱きしめてくれた。
昨日の先生みたいに・・・
どうしてこんなに心が虚しいんだろう。
「どこ行ってたんだよ?!」
「ごめんね。心配かけちゃって。」
「無事でよかった。先生ありがとうございます。」
そうだった。あたしは良太と付き合ってる。
先生は、みんなの担任の先生だ。
現実に戻ってきた。
ずっと逃げていた現実に・・・