ずっとケータイを握り締めていた。


あれから連絡はない。



もう来ないのかなと思ったとき、先生が来た。



「せんせ・・・」


「よかった無事で!」



あたしを見つけて抱きしめてくれた。



涙が溢れて止まらない。

いつも先生に泣かされてばかり。





「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」


「謝らなくていい。俺が悪かった。」


「………」



これは何の涙だろう。



先生が迎えに来てくれた嬉しさ?


それもあるかもしれない。



でも、良太を信じていたのに・・・裏切られた。


それが悔しくて、泣くのを我慢していた。







「向こうには連絡したから帰ろう。」


「・・・帰りたくない。先生と」



先生の電話が鳴った。よかった。



荷物を取りに行こうと部屋に戻ろうとした。


そのとき、後ろから腕を掴まれた。



「今日はここで泊まろう。」


「えっ?帰らなくていいの?」


「さっき言いかけたの、そういうことだろ?」


「ち、ちがうから!気にしないで!」


「もう帰らないって言ったから大丈夫。」



さすが先生。

あたしのことは何でもお見通し。


どうしてわかるんだろう・・・