2人とも遅刻した。
学校に着いたら始業式の途中だった。
生徒指導の山本が気づいたらしく、
こっちに近づいてきた。
「成瀬と吉沢。終わったら来なさい。」
説教が始まって30分。
あたしだけ残って怒られている。
「吉沢!聞いてるのか!?」
「………」
「お前は遅刻が多い!何度言ったらわかるんだ!?」
「はいはい。」
「今、何て言った?」
「失礼します。」
聞き覚えのある声だった。
振り向くと、そこに立っていたのは
昨日会ったお兄ちゃんの幼なじみ。
あたしにキスしてきた人が目の前にいる。
「私のクラスの生徒が申し訳ありません。」
「中原先生も吉沢には厳しく指導してください!」
「わかりました。気をつけます。」
どうして、ここにいるの?
私のクラスの生徒
中原先生ってことは・・・
そんなわけない。
絶対に何かの間違いだ。