何も準備していない。


お兄ちゃんが必要な物を買ってくれたけど、

どうせ行かないからいい。



修学旅行の前日で

クラスのみんなはテンション高い。


それが嫌で早退した。







その夜、お兄ちゃんと一緒に先生が帰ってきた。



「シャワー借りていい?」



「はいはい。どうぞ。」





「お兄ちゃん!何で先生がいるの?」



「外で待ってたから。」



「えっ?」



「明日から修学旅行なのに、バカだよな。」



家に来た理由はわかる。

明日、連れて行くため説得に来たんだ。




「俺の夜ご飯、あいつに食べさせて。」



「今日は多めに作ったから、
お兄ちゃんも一緒に」



「ちゃんと話聞いてやれよ。」



「ちょっと待ってよ!」




話すことなんてない。

ご飯食べたら早く帰ってもらおう。





「シャワーありがとうな。あいつは?」



「・・・ご飯食べてください。」



「いや、そんなつもりは」



「早く座ってください。」



「ごめん。いただきます。」



食べてる間は無言。

あたしが話しかけないでオーラを出してるから。






「ごちそうさま。今日もうまかったよ。」



「・・・用件は何ですか?」



「言わなくてもわかってるだろ?」



「だから、あたしは絶対に行きません!」