「お腹いっぱいだー。」
「さすが。運動部はすごいね。」
「愛莉もいっぱい食って元気になれよ!」
「そうだといいんだけど。」
「大丈夫だよ。」
頭をポンポンってされた。
先生を思い出す。
でも、あのときみたいにドキドキしない。
「なぁ、今週の日曜日空いてる?」
「うん。」
「デートしよう!初デート!」
「部活は?」
「たまたま休みなんだ!」
「珍しいね。いいよ。」
「ほんとに?!」
「あたしたち付き合ってるんだから。」
「よっしゃー!」
「・・・恥ずかしいから静かにしてよ!」
「ごめん。嬉しくて。」
しばらく2人で話して学校に向かった。
良太はデートのことばかり。
付き合って初めての自転車2人乗り。
大きな背中かっこよくて
いつもよりくっついていた。
「なぁ、愛莉。」
「どうしたの?」
「いつもより密着してない?」
「ごめん!嫌だった?」
「嫌じゃない!くっついてろ!!」
「えっ?」
「離れるなよ!ずっと!」
先生のこと考えてる場合じゃない。
こんなにあたしのことを
好きでいてくれる人がいるんだ。
もっと良太と向き合って
本気で好きになろうと思った。