先生の家からあたしの家まで

何も話さなかった。



聞きたいことはあったけど何も聞かなかった。


余計なことは考えないように

そう思っていたのに・・・





いつの間にか先生のことばかり

考えるようになっていた。



一緒に買い物したり


ベットで抱きしめられたり


オムライス食べたときの嬉しそうな顔



今でも鮮明に覚えている。



これを好きっていうのかな・・・





「着いたよ。」



「ごめんなさい。あたしのせいで・・・」



「何を言ってるんだ?」



「迷惑かけてばかりで・・・ごめんなさい。」



先生どんな顔してるのかな。

怒った顔?悲しい顔?





「さっき聞いたよな?
他の生徒にもこういうことするのか。」



「えっ?」



「お前は体が弱いから特別だ。
もし他の生徒でも体が弱かったら、
家に泊めてたと思う。」



「………」





「結婚するんだ。さっきの人と。」





一瞬だけど、先生は悲しい顔をした。

気のせいだと思った。



こういうときは何て言えばいいの?




「もう降りろ。」



「・・・やっぱり嫌い。」



「何て言った?」



「先生のこと大嫌いです!!!」





先生のことが好き。


大嫌いの反対。大好き。


好きになってごめんなさい。