あっという間に完食した。
病み上がりの食欲とは思えない。
顔色も良くなったみたいだ。
「ごちそうさまでした。」
「はぁ・・・よかった。」
「よく料理するのか?」
「あたしがいないと、お兄ちゃんは
コンビニ弁当しか食べないから。」
「あいつ羨ましいな・・・」
「先生は?料理するんですか?」
「俺もコンビニ弁当かカップ麺だな。」
「そんなの体に悪いですよ!」
「大人はそれでいいんだ。」
「先生の分も作りましょうか?」
「………」
もしかして、また変なこと言った?
顔が熱くなってきた。
恥ずかしくて先生の顔見れない。
「ごめんなさい!今のは忘れてください!!」
「ほんとに作ってくれるのか?」
「はい!・・・えっ??」
「俺のも作ってくれる?」
ふと先生を見ると目が合った。
今まで見たことないような優しい瞳。
「あたしで良ければ・・・」
「他に作る相手いるんじゃないの?」
「えっ?」
「彼氏とかは?」
「いません!お兄ちゃん以外で
あたしの料理食べたの先生が初めてですよ!」
「お前は俺のこと誘うのが上手いな。」
「べ、別にそんなこと!」
「冗談だよ。」
ときどき笑う先生。
笑わないで。
心臓がどうにかなりそう・・・