「もしもし?お兄ちゃん?」
「家に着いたか?」
「うん。さっき着いたよ。」
「迎えに行けなくてごめんな。」
「今日は何時に帰ってくるの?」
「また飲みに行くから遅くなると思う。」
「・・・わかった。」
「明日から学校だろ?」
「ううん。明後日から。」
「明日はゆっくり休めよ。あと薬も飲んで」
「わかってるよ。じゃあね。」
一方的に切ってしまった。
ほんとは明日から学校だけど、
行きたくないから明後日だって
またウソついちゃった。
吉沢愛莉(ヨシザワアイリ)
高校2年生。
学校なんて、どうでもいい。
もう辞めたい。
お兄ちゃんが高校は卒業しろって言うから
仕方なく行ってるだけ。
だって、私には未来がない。
今さら長生きしたいと思わない。
もう生きる理由がないから。