【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



時は流れて2年前。


当時、炎薇がいなくなったことにより


治安が失われつつあったも


ある暴走族が街をおさめた事によって


収まりつつありました








その族の名は蒼桜ーsououー




炎薇と同じ…それ以上の力を持つ蒼桜の


進出によって街は前よりも


治安が安定しました


その頃、輝はNo.1が変わったことに


戸惑いつつ事件の収拾に追われていました




そして事件から2年、つまり今から1年前



輝は蒼桜の強さや誠実さを評価して


正式にNo.1になることを認めました










…しかし、


交流を深めるために開いた


パーティに蒼桜の総長が姿を現しませんでした


これには輝も怒り帰ってしまいました


ここから蒼桜と輝の仲は嫌悪になったのです










そして今









止まっていた時間が動き出すーーーー






西条家ーnishijyouー


西条 紅愛ーkureaー


西条家の長女

身長160cm

大手西条財閥の次期社長

母ゆずりの美貌をもつ




西条 優里香ーyurikaー

元トップモデル

西条財閥、副社長

その美貌とその氷のような性格で

『氷の女王』と呼ばれていた



西条 裕ーyuー

西条財閥創設者、現社長

かなり頭が良くイケメンだが仕事が第一

妻の優里香とは政略結婚




「……………」


「……」


「…………………」


「…………………………」





「………………」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



「く………さ……き……さ……」



誰かが何か言ってる…



「紅愛様!」



うるさい…


閉じてた瞼をゆっくりあげると




「おはようございます。


あと30分で車をお出しします


急いでご支度なさってください」



いうことだけ言って出て行ったこの人


私の専属執事、白石ーshiraisiー


ほとんど表情を顔にださない


けど仕事は完璧にこなす、そんな人






…とりあえず支度しよう


遅れると何を言われるかわからない


エレベーターを使って1階に降りると


ドアの隙間からたくさんの人が見える


まぁ、いつも通りだけど


「はぁ…」


軽くため息をついて扉をあけた


「「「「おはようございます!紅愛様」」」」


そこには奥まで続く執事とメイドが


90°に体を曲げ挨拶をしていた



ぺこっと会釈だけをしてその間を歩き



その更に奥に向かって歩いた




すると、見えたのはダイニング



そして足を止めて軽く深呼吸をする


「おはようございます



お父様、お母様」



「「………………」」



今日も返事がない







静かに椅子を引き席に着く



なるべく音を立てないようにして朝食を取る



「「「…………………」」」


この空間の中、


フォークとお皿が触れ合う音がやけに響いた


昔はこの空気が嫌で嫌でたまらなかった


今も…嫌だけどね


だから即座に朝食を食べてこの空間から逃げる





今日もそのはずだった



いつも通り静かに朝食を食べ


席を立ち上がった


その時



「10分後私の部屋に来なさい」


こんな言葉遣いなのは私とメイド達だけ


つまり、私に言った…?


ちらっとお母様を見ると


本当に少しだけ目が合った






「はい、わかりました」


そう静かに返すと


ふっと冷たく、私を嘲笑うように笑って


「遅れるんじゃないわよ」




「…はい。失礼します」


そう言って部屋を出た


急がないと。お母様は時間に厳しい


少しでも遅れたらどうなるかわからない


急いで部屋を出て身支度を整える


そういえば髪…どうしよう


私の髪は金色。まぁ、わけありなんだけどね


…一発で目つけられるよね


まぁ、しょうがないか


せめてカラコンはするけどね


そんな事を考えていると時間まで残り2分


急がなくちゃ





小走りで廊下を走ると


上品なデザインのドアが見える


白がベースで金色の模様が入ったドア


お母様はここにいる


はぁ…


何を言われるんだろうか


ため息をついて


コンコン…


ドアをノックした


「………入りなさい」


「失礼します」


中に入ると一人用部屋には


勿体無いくらいの大きな部屋


お母様は一番奥のデスクに座っていた


「座りなさい」



近くにある高級感漂うソファーを


ちらっと見てそう言った


はい。と返事をして座った



「それで、不良校に行くって


どういう風の吹き回し?」


やっぱり…言われると思ってた


「色々な…経験をしようと思ったからです」


本当の理由なんて言えない


…言えるわけ無い


「あなた、本当に出来損ないね


西条財閥の跡継たる人が


不良校に言ってるなんて世間に知られたら


あなた、どう責任取るのよ」




「西条財閥のことは絶対に言いません


けど…もしもばれることがあれば


私なりのやり方で責任を取るつもりです」


私も、ちょっとは成長したんだ


前みたいに言いなりなんてならない


…それに何よりも時間がないから