そして、方向を変えしばらく探すと


「翔聖!」


少し奥に進んだ所。そこに人ひとりが通れそうな道を見つけた


「行ってみるか」


「そうだね。


…あ、翔聖途中で引き返すかもしれないから私が先行くよ」


道とはいえ子供が作った道だ。


背の高い翔聖が最後まで入れるとはあんまり期待出来ない


その時翔聖が前にいたら私まで入口まで戻らなきゃいけないからね


翔聖はそれがわかったのか頷いた。


こうして私達は、4人が亡くなった場所……


"呪い"の元凶に足を踏み入れた




とはいえ。


道は、確かに"光の道"だった


薄暗い森の中とは一変して、道だけは凄く明るい


私達の通り道である丸い穴はなんと植物が道を開けたもので


そこだけ上に植物が重なってないから光が通って明るい


凄く幻想的だった






「翔聖、あれ…!」



道を抜けると見えたのは大きな崖、


そして一番目に付くのはその麓



「あれは…。」


何も無いと思っていたのに


"kureha raima


naito tsuki"


そこには、そう彫られた石碑があって


名前は紛れもなく4人のもの。


いつ、誰が……。


それも気になるけど


もう一つ。


「花……誰か来たのか?」


そう、その石碑には花が手向けられてる


1輪の紫色の花


「こんなところ……誰が…」


こんなわかりにくい場所なのに、


それに名前が書かれた石碑があるからと言ってここで誰かが亡くなったなんて、わかるものなのだろうか?


それに、石碑はかなり時間が経ってるように見えるけど


花はかなり新しい。それも今日か昨日あたりだと思う


この場所を知ってるのはもちろん紅羽達4人と


ゆいさん、私、翔聖……。



「まさか…っ」


そこまで思い出して気付いた


あと1人、いる。


だけどその人は未だ行方がわかっていない


「…冬詩さん、か。」


「うん…。」


もう数年もその姿を見ていない


それこそ信じられない話だけど…。


もしも生きていたのなら、冬詩しかいない


今、何してるんだろう…。


「紅愛、冬詩さんにはきっといつか会える。」


え?


翔聖の言葉に私は目を見開いた。


「なんとなく、な。」


「あーーちょっと!」


そして私の髪をぐしゃぐしゃにした


もう!髪ボサボサなんだけど…!


キッと翔聖を睨むと今度は、


ポンと頭に手が乗って


目の前に花が差し出された


赤と青と黄色の花は1本ずつ包装されていて。


それは私達が行きにお花屋さんで買ってきたものだった。


「私が赤、翔聖は青。


黄色は……2人で置こう?」


もちろん紅羽と、來馬と月希の色。


ってあれ…私達なんで月希の色は黄色だと思ったんだろう?


それに夜斗の分がない。


でも先にあった花があることで丁度良くなって4本ある


これってつまり



また、石の影響……?



そんな考えが頭に浮かんで思わず頭をフルフル振った


「…翔聖」


呟いて翔聖を見上げると


翔聖も私を見ていて。


「あぁ。」


きっと私の考えてる事だってお見通しなんだろうけど


頷きを合図に私達は花を手向けた