なんて、許すわけないでしょ…!?


「えへへぇ〜」


「んな怒るなって、頭の血管切れるぞ」


「久しぶり!」


…聞いてないよね。


イラッときたけど心の底から見せる屈託ない笑顔は、怒る気力も失せる程。


最高の再会だ。


ふっと口元を緩めると3人はまた笑った


が。


「…お前らんな走ったらぶつかるぞ」


そう言いながらノコノコとポケットに手を入れながら坂を降りてくる銀髪の男


「ルイ。」


「久しぶり、カンザ…紅愛」


「うん、久しぶり


…って違うわ!止めてよバカ!」


丁度私の目の前に来た端正な顔をキッと睨むと、ルイはニヤッと笑った


…コイツ確信犯か。


「まあまあ。短気は損気だよ、紅愛。」


誰が短気だツカサ


そうは思ったけど言い返すとまた短気って言われそうだったのでここは抑えて


「…もう、じゃあ行こうか」


「「「了解」」」


そして、私達は夜影にいた頃の話を1つ1つ思い出しながら


城の跡地を皆で見て回った


私達が過ごした形はもう無い


聖蘭を始めとした警察組織が夜影の実態を調べた後取り壊される事が決まった。


再び同じ事が起きない様に願いを込めて。


今はただ森の中にポッカリ空く何も無い大きな敷地


でも不思議と悲しいという気持ちは無かった


悲しいというよりは虚しくて


虚しいというよりは清々しくて


よくわからない気持ちだったけど


何となく、つっかえてた物が1つ無くなったような感じ


こうやって過去の謎が消える度にこんな気持ちになるんだろうか?


わからない


だけどそれは真実


消えることは無いから


私は多分、これからも忘れること無く


そっと閉じ込めて背負って生きていく


それが残された私達のするべきことだって思うから





___*


「それで…今その3人の行方は…?」


「うん、この前会ってきたの」


「「「は!?」」」


跡地を巡った後、私達は街の小さなカフェに来ていた。


そこでも話は尽きず夜影の事。


何故夜影に入ったのか、


アレクトになるまでどんな所にいたのか、


そんな事を話していると


"紅愛は過去に何があったの?"


セイラのその1言で私は自分の過去を打ち明けた


そして、皆が目を付けたのは意外にも仁さん、玲さん、柊さんの行方。